再生可能エネルギーとは 種類や割合、課題について

再生可能エネルギー

再生可能エネルギーとは、太陽光や水力、風力、バイオマス、地熱など、短期間で再生が可能なエネルギーのことを言います。

石油や石炭などの化石燃料と比べて、

・温室効果ガスを排出しない
・日本国内でも生産できる
・枯渇する心配がない

など複数のメリットがあり、活用が推進されています。

温室効果ガスを排出しないことで、地球温暖化を防ぐ効果が期待されています。

また、日本は化石燃料を輸入に頼っており、エネルギー自給率が10%を下回っています。

再生可能エネルギーは国産のエネルギー源ですので、自給率を改善させ、電力を安定的に供給するうえで役立ちます。

再生可能エネルギーの割合

日本では2016年度の時点で、再生可能エネルギーによる発電の比率は14.5%となっています。

うち水力が7.6%で、それ以外の再生可能エネルギーの合計が6.9%です。

このことから、まだ普及する余地がおおいにあるのだと言えます。

他国と比率すると、ドイツが30.6%、イギリスが25.9%であり、日本は低めの水準にあります。

ちなみに主要国の中では、アメリカが13.6%で最下位になっています。

普及への取り組みを進めることで、2030年度までに22〜24%まで比率が高まるものと予測されています。

2016年度の再生可能エネルギーの発電比率

()内が水力の割合

日本 14.5%(7.6%)
ドイツ 30.6%(3.0%)
スペイン 35.3%(10.1%)
イギリス 25.9%(1.9%)
フランス 16.3%(9.7%)
イタリア 39.8%(16.2%)
アメリカ 13.6%(5.8%)
カナダ 63.8%(56.7%)
中国 24.1%(19.1%)

出典:資源エネルギー庁調べ

パリ協定による目標設定

2016年に発効されたパリ協定において、世界の平均気温を、産業革命以前と比べて2度以上、上昇させないことが国際的な目標として掲げられました。

そしてなるべく1.5度以下に抑えるという、努力目標も設定されています。

実現のためには石油や石炭の使用量を減少させ、温室効果ガスの排出量を低下させる必要があります。

このために、世界中で温室効果ガスを出さない再生可能エネルギーの活用が促進されています。

長期的には、21世紀の後半に温室効果ガスの排出量と、森林による吸収量のバランスを均衡させることが目標となっています。

普及への課題

太陽光や風力などを用いた発電は、現時点では火力などに比べてコストが高くなっています。

国際的には、急速に再生可能エネルギーの活用技術が発展し、コストが低下していっています。

日本でもFIT(固定価格買い取り)制度によって安定した収益が見込めることから、再生可能エネルギーが普及しつつありますが、長期的に安定したエネルギー源とするためには、技術開発を進め、さらにコストを削減する必要があります。

また、太陽光や風力は季節や天候によって発電量が増減することから、需要と供給のバランスを取るため、火力や揚水発電で補っているのが現状です。

この点に関しては電力システム全体を改善し、広域で電力を共有して調達する(スマートグリッド)など、柔軟な対応ができる仕組みを構築する必要があります。

法的な定義と種類

日本では法律によって、「非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用できると認められるもの」が再生可能エネルギーだと、定められています。

具体的には、

(1)太陽光、(2)風力、(3)水力、(4)地熱、(5)太陽熱、(6)大気中の熱その他の自然界に存在する熱、(7)バイオマス(動植物に由来する有機物) の7種類(施行令第4条)。利用の形態は、電気、熱、燃料製品。

とされています。

ちなみに法律の名称はとても長く、「エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用および化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律」です。