中央アメリカのコスタリカ共和国は、4年連続で国内電力の98%を再生可能エネルギーで賄った、と発表しました。
今年の化石燃料による発電は全体の1.44%にとどまり、河川水力・風力・地熱発電によって、必要電力のほとんどを確保しています。
【コスタリカのリモン州にある水力発電ダム】
出典:AFP BB NEWS
発電量の具体的な内訳は、以下の通りです。
水力 | 73.87% |
風力 | 15.6% |
地熱 | 8.38% |
火力 | 1.44% |
コスタリカ電力公社のルイス・パチェコ氏は、「コスタリカの発電システムは、中米地域および世界の手本になっている」と述べています。
発電量は10月がもっとも多く、976.78ギガワット時となっています。
コスタリカは2021年までにカーボンニュートラル(二酸化炭素の排出量と吸収量を同じにして、環境への負荷を低減すること)の実現を目標に掲げています。
コスタリカとは
コスタリカは中央アメリカ南部に位置する共和制国家で、北はカリブ海に面し、南は太平洋に面しています。
【コスタリカの位置】
人口は489万人で、中米ではパナマの次に経済力がある国です。
自然が豊かで、国土の40%が森林に覆われており、このために河川の水量が豊富になっています。
それが河川の水力発電量の多さにつながっているのだと考えられます。
【リオ・サベグレ川の様子】
環境保護にも力を入れており、国立公園や自然保護区が国土の1/4にも及んでいます。
それ以外には、常備軍を持たない平和国家という顔も持っています。
また、ラテンアメリカではもっとも長い民主主義の歴史を持つ国でもあります。
そういった風土が、地球環境への負荷を軽減する、再生可能エネルギーの積極的な活用にも反映されているのでしょう。