グリッドパリティは再生可能エネルギーを用いた発電のコストが、既存の火力発電などのコストと同等か、それ以下になることを示す電力用語です。
この場合のグリッド(grid)は「電力供給網」のことを、パリティ(parity)は「等価」を意味します。
既存の電力と同等以下になれば、再生可能エネルギーを使いやすくなりますので、これを達成することが、普及させる上で重要な条件となります。
具体的な基準
具体的にいくら以下になるとグリッドパリティになるかは、国や地域ごとの電気料金によって異なります。
日本の場合は、家庭電力がおおよそ25円/kWh ※ なので、それを達成することを第一段階グリッドパリティと呼んでいます。
※ /kWhは1キロワットを1時間発電するのにかかるコストを示します。
そして業務用電力の14円/kWhの水準になることを、第二段階グリッドパリティと呼びます。
汎用電源のコストである7円/kWhの水準になることを、第三段階グリッドパリティと呼びます。
再生可能エネルギーが広く用いられるようになるためには、第一段階グリッドパリティを達成することが必要になります。
太陽光発電におけるグリッドパリティ
太陽光発電は技術の発展と、普及の拡大にともなってコストダウンが進んでおり、地域によっては、2011年の段階で第一段階のグリッドパリティが達成されています。
特にコストダウンが進んでいるのがドイツで、2012年に家庭用電力でグリッドパリティを達成しており、2017年には助成が不要となっています。
日本でもFITによって普及が進んだことから、2010年には40円/kWhだった発電コストが、2016年には18円/kWhにまで下がっています。
つまり、日本でも第一段階グリッドパリティは達成されているのだと言えます。
このように、世界的に太陽光発電のコストは低下傾向にあり、補助なしでも既存の電力の代替として、使用できるめどが立ってきています。
その他、風力など他の再生可能エネルギーのコストも低下しており、今度は再生可能エネルギーが主要な電力源のひとつになって、温室効果ガスの削減に寄与することが期待されています。