地球温暖化係数(GWP)とは

地球温暖化

地球温暖化係数は、温室効果ガスにどれだけの温暖化能力があるかを示す指標です。

英語では Global Warming Potential で、GWPと略されます。

二酸化炭素を1として基準にし、他の気体の影響力の大きさを知ることができます。

例えばメタンの地球温暖化係数は25であり、二酸化炭素に比べて25倍の温暖化能力があるとわかります。

つまり1トンのメタンが排出されると、二酸化炭素を25トン排出したのと同じくらい、地球は温暖化します。

それ以外には一酸化二窒素が298と、メタンよりもさらに大きくなっています。

フロン類はさらに大きく、数百〜数万倍となっており、二酸化炭素と比べると、排出量こそ少ないものの、非常に高い温暖化能力を持っています。

温暖化を抑えるためには、温室効果ガスの排出量の削減に、総合的に取り組む必要があることになります。

主な温室効果ガスと地球温暖化係数

温室効果ガス 地球温暖化係数
二酸化炭素
(CO2)
1
メタン
(CH4)
25
一酸化二窒素
(N2O)
298
HFCS
(ハイドロフルオロカーボン類)
1,430など
PFCS
(パーフルオロカーボン類)
7,390など
SF6
(六フッ化硫黄)
22,800
NF3
(三フッ化窒素)
17,200

CO2換算

温室効果ガスごとに影響力が異なっているため、算出するときには、それぞれの排出量に地球温暖化係数をかけて、「二酸化炭素に換算すると、どのくらいの量が排出されているのか」を示すことになっています。

CO2換算の計算式

ガスの排出量 × 地球温暖化係数 = CO2換算排出量

なお、排出量は直接大気を測定するのではなく、統計データに基づいて算出されます。

CO2換算済み排出量

2017年度のCO2換算済みの排出量は、次のようになります。

温室効果ガス CO2換算排出量
(百万トン)
割合
二酸化炭素 1191 92.1%
メタン 30.5 2.4%
一酸化二窒素 20.4 1.6%
代替フロン等4ガス 51.8 4%

二酸化炭素が全体の92.1%を占めています。

このために温暖化の抑制には、二酸化炭素の削減が重要だということになります。

地球温暖化係数の種類

地球温暖化係数にはいくつかの計算方法があり、それによって数値が異なります。

これは20年、100年、500年と、計算の基準となる期間の単位が異なるためです。

温室効果ガスはそれぞれに、寿命を迎えるまでの期間に差があり、残留期間によって影響力が異なります。

このために地球温暖化係数は基準となる期間によって変化しますが、一般的には100年単位で計算したものが使われています。

なお、温室効果ガスの寿命は、1年に満たないものから5万年に及ぶものまで、こちらも種類によって、大きな開きがあります。