電力の小売り全面自由化とは 切り替えのメリットや方法も紹介

電力自由化

かつて電力は、東京電力や関西電力など、地域ごとの電力会社しか販売できないという規制があり、独占状態になっていました。

電力の小売り自由化によって、その規制がなくなり、消費者がどの電力会社から電気を買うかを、自由に選べるようになりました。

2016年4月1日から参入が自由化され、家庭や商店でも、電力会社や料金のタイプを選べるようになっています。

※工場やビルなどはこれ以前から自由化されており、「全面自由化」と言うのは、新たに家庭や商店も自由化されたからです。

新しいサービスや料金プランが登場

自由化によって様々な電力会社が市場に参入するようになり、電気とガスをセットで割引にするプランが登場したり、ポイントサービスを受けられるようにもなりました。

その他には、携帯電話とのセット割引のプランもあります。

これらを利用すると、以前よりもお得な料金で電気を使用できます。

それ以外にも、環境への負担が小さい再生可能エネルギーで発電する電力会社を選べるなど、エコ活動を行うこともできます。

また、昼夜の時間帯別に料金が異なっているプランもあり、ライフスタイルに合わせて電気を効率的に利用できるようにもなりました。

切り替えのメリット

電力会社の切り替え方

1 切り替え先の電力会社への申し込み

電力会社を切り替えるには、まず切り替え先の電力会社に申し込みをします。

サービス窓口や電話窓口、ホームページなどから行うことができます。

この時に、検針票に記載されている「供給地点特定番号」を知らせる必要があります。

2 スマートメーターへの交換

まだ設置されていない場合は、スマートメーターという、インターネットへの通信機能を持った電力メーターへの交換が必要になります。

これによって電気を遠隔で検針したり、30分ごとに使用量を計測できるようになります。

交換には原則として費用がかかりませんが、付随する工事があった場合には、費用が発生することもあります。

【スマートメーター】

3 電力の切り替え

手続きが終わると、切り替え先の電力会社との契約が開始され、そちらから電力が供給されます。

いつ切り替わるのかは、電力会社からのお知らせによって知ることができます。

切り替えまでには、スマートメーターへの交換が必要な場合は2週間、必要がない場合には4日くらいかかります。

電力切り替えへの疑問・質問

切り替えないとどうなるの?

切り替えない場合には、契約している電力会社から、引き続き電力が供給されますので、特に何もする必要はありません。

契約した電力会社が倒産したら?

新しい電力会社は規模の小さいものもありますので、倒産するケースも考えられます。

その場合は、事前に周知されることになっていますので、電力の供給が止まる前に、他の電力会社に切り替える必要があります。

地域の電力会社(東京電力など)には、セーフティネットとして電力の供給が義務づけられていますので、そちらと契約し直せば、電力の供給が受けられなくなるということはありません。

新しく電線を引く必要はあるの?

電力会社を切り替えても、送電線は従来のものがそのまま使われますので、新しく電線を引く必要はありません。

停電しやすくなったりしない?

電気の信頼性はどの会社から買っても同じですので、停電しやすくなることはありません。

また万が一、契約した会社が電力を用意できなかった場合には、送電網を管理している会社が不足した分を補充しますので、電力の供給が止まることはありません。

こういった仕組みが可能なのは、送電網が全ての電力会社で共有されて使われているためです。

マンションでも利用できるの?

マンションなどの集合住宅でも、家庭ごとに個別に電力会社と契約している場合は、切り替えができます。

マンション全体で一括契約をしている場合は、管理組合などに相談する必要があります。

どんな電気事業者があるの?

資源エネルギー庁が、登録されている事業者を公表しています。

資源エネルギー庁HP 登録小売電気事業者一覧

こちらに登録されているかを確認した上で、次の項目を確認すると、より安全に切り替えができます。

・電気会社の社名や連絡先
・電力の供給が開始される時期
・契約期間
・契約期間が完了した際の更新手続き
・電気料金の算定方法
・スマートメーターへの交換など、切り替えに伴う工事に費用が必要かどうか
・料金が割引される場合、その期間はいつまでか また、いくら安くなるのか
・解約する場合に費用は発生するのか